日本のキッチン事情
オーダーキッチンの施工ラッシュがはじまりました。
大型の自社リフォーム物件は今月で一段落いたします。
また写真出来上がり次第 施工事例にアップさせていただきます。
今日は国内のキッチン事情について少しお話いたします。
最近では、大手システムキッチンブランドも統合や廃業が目立つようになりました。
私がキッチンの業界に入って15年が経ちますが、当時取扱ったシステムキッチンメーカーは
なんと約16社ほどありました。
15年の間に、統合や資本変更されたブランドは 約6社。
姿を消したブランドは 約3社 あります。
当時の半分以上は何らかの変化を余儀なくされた事になります。
【私の記憶なので 約 と付けておきます】
では、なぜこの様な状況に陥ったのか?私の個人的な考えですが。
理由
1、キッチン需要の減少。【新築戸建物件・マンション物件の減少・少子化】
2、その他キッチンの選択【オーダーキッチンや造作キッチンの流行・異業種参入】
3、低価格の競争 【20万円以下のキッチンが市場に出る】
4、景気の低迷 【リフォーム産業の伸び悩み】
5、商品開発の行き詰まり 【商品開発の差別化が困難】
特に1、については非常に難しい問題だと思います。
若い世代が新築のマイホームを建てない。あるいは建てれない、興味がない。
NOマイカー・NOマイホーム・NOマネー
高度成長期・バブル期と比べ右肩下がりの建築着工数で、メーカーも自然淘汰されている。
ほぼ内需に頼っているので、輸出等の開拓は難しい。
ある工業データーを見ると、下のようにキッチン販売数が変化している事がわかります。
【大手メーカー工業会】
年間出荷台数
●1989年(平成元年)キッチン出荷数 2,975,723台 【300万台弱】
●2001年(平成13) キッチン出荷数 1,969,999台 【200万台弱】 1989年の66%
●2009年(平成21) キッチン出荷数 1,523,057台 1989年の51%
●2010年は2009年の98%を予測
【数字はシステムキッチン・※セクショナルキッチンを合わせた台数】
※ちなみにセクショナルキッチンとは、分割型、セパレート型とよばれ、シンク部分・調理部
分・コンロ台などを置いていく懐かしいキッチンのことです。
昔はこのキッチンをベースに新築されることが多く、選ぶのに20分程度の打ち合わせのみ
で納品しておりました。
当時から商品の幅は15cmきざみで総合カタログに載っていて、
キッチン本体1200+調理台600+コンロ台750で2550のI型キッチンが、
ハイ!出来上がりみたいな感じで、扉色は3色ございます・・・もろに流し台ですね。
キッチン納品は自分一人で軽四トラックで運んだことも多々ありました。
写真は最近のセクショナルキッチンです、当時より少しよくなりました。
10年ほど前に、全てシステムキッチンの販売へ私の営業も転換したのですが、
やはり、2400・2550・2700と 相変わらず15cmピッチ の商品ラインナップ。
当時セクショナル寸法になれてしまった、工務店間取りで国産システムキッチンは
15cmピッチのままで生まれ変わったと感じていました。
キッチンの世界標準ISOは1985年を境に10cmピッチの寸法になっており、JISも変更さ
れてはいるようです。
しかし、45cm幅のキャビネットや機器も日本だけみたいでなんとも不思議な感じです。
海外の機器メーカーも大変だとおもいます。60cm商品だけでいいのに・・・・
その当時は、天板がつながってスッキリしてますよ。コンロがキャビネットの中に入ります。
なんてセールスアピールをしておりました。
今では当たり前すぎます(笑)
セクショナルキッチンの現在の状況はというと・・・・
昭和55年出荷数 2,373,514台
平成21年出荷数 522,481台 昭和55年の22%になっています。
時代の変化ですね。
今では事業所の給湯室かアパート取替え需要ぐらいでしょうかね?
実際のキッチン販売台数は、これらの数字以上のボリュームはあります。
輸入キッチン・オーダーキッチン・造作キッチン・家具スーパーなどの出荷数は
この数字に含まれていません。
では、オーダーキッチンはどうか?
とてもありがたいことに、お問い合わせは増えております。
新築は微増ですが、リフォームで条件的にシステムキッチンでは無理な場合があります。
例えば、
柱や梁が外せない場合。
マンションのパイプスペースを残して設置。
新築時に規格外寸法のオリジナルキッチンだった。
特殊な寸法にしてスペースを変更したい。
などなど
私たちはオーダーメードキッチンを、今後どのようにお客様に認知いただくかを
課題としております。
オーダーメードと言うと何だか、「特注・別注・あつらえ品・オートクチュール」と特別高級な
感じが私もするのですが、神戸スタイルキッチンはそうではないのです。
注文住宅を建てるように、注文キッチンをお客様と作りましょうとお薦めしたい。
これからは多くの方に気軽に自分だけの使いやすい、自分スタイルに合った
キッチンをご検討いただける事が私たちの目標です。
まじめに藤田でした。