展開を見ろ、流れを読め
最近歳のせいか、硬い文章が多い 藤田です。
昔は軟派だったのですが、今は硬派?
野球の話です。
久しぶりに、姫路市にある母校野球部を見学してきました。
グランドには年に、1度か2度ほどしか立ち寄りません。
母校のグランドに近づくと
甲子園を目指し、異常なトレーニングをしていた記憶が蘇り、
複雑な心境になります。
グランドに入る前は、中年になっても叱られそうで、
気分はいつもどんより曇り空・・・みたいな感じです。
しかし一歩入ると、必ず自分の原点に立ち返り、またヒントをもらって
とても元気が出る、処方箋的な存在です。
この日、埼玉県のO高校、岡山県のK高校と練習試合を行っておりました。
監督さんに挨拶した後、バックネット裏で見学させていただきました。
母校は、前半から中盤にかけ常にリードを許し、得点を奪えない内容。
昨年夏、全国選手権大会べスト8のチームにしては
今シーズン、少し不安の残るゲーム展開だと感じました。
試合途中に、グランドの外でコーチと練習する下級生を見に行きました。
バランス・筋力トレーニングをしている選手に、コーチから大きな声で
喝が飛びました。
サボっている選手は誰一人いませんし、必死でやっているのに何故?
「お前らは、今の試合展開がわかっているのか!」と お叱りです。
彼らは、グランドの試合に参加できず、ホームベースから100m離れた
外野フェンスの外で別メニュートレーニング中の、いわゆる補欠選手です。
何故、彼らは叱られるのか?
目の前の課題を懸命にこなしているのに・・・・・と理解しにくいかもしれませんが、
解釈はこうです。
要するに、5回までリードされている一軍が、反撃のチャンスをつかんだ瞬間を
練習しながら、試合の流れを読んでいるのか?と言っておられるのです。
「チームが反撃するゲーム展開を見逃すな。ベンチの攻め方を常に研究し、
頭に叩き込め、いつベンチに呼ばれても対応できるように!!」
と言う、コーチから補欠選手へのメッセージと解釈しました。
ベンチにいる20人のレギュラーだけでなく、補欠100名全員がチームの
展開に集中しながら、個々のトレーニングを行えという事ですね。
結果チームは、その回に6点を入れ逆転し10対5で勝利ちました。
これは社会人でも通じることです。
皆自分の目の前の仕事に必死で、組織全体の展開を理解している社員は、
いったい何人いるでしょうか?
私は管理職でないから・・・・ それは言い訳です。
例えば営業担当なら、財務状況や配送業務、事務作業を理解し、
企業全体の状況を理解し、営業活動に反映させているでしょうか?
16歳の学生がやっていることが、なかなか大人でもできないのが現実です。
チームのこと、組織のこと、企業のこと、国のことを常に理解しようと
しているのか?人ごとみたいになっていないか?
組織の「勝利の方程式」を自分の頭に叩き込め!!と学生に教えているのです。
100名を超える部員を動かす高校野球組織は、企業組織とよく似ています。
(部長、監督、コーチ、トレーナー、マネージャー、ベテラン選手、新人選手)
大勢になればなるほど、全体の展開が見えにくくなります。
優秀なチームや企業は、個々が何をすれば勝利を皆で手にすることができるか
わかっているはずです。
現役時代に、当時の監督さんから、こう言われました。
「藤田よ!俺が1と言ったら、お前はすぐに10物事を考えて、俺に応えろ!!」
とても難しかったのですが、卒業前に一度だけ「やればできるやないか」と
褒めていただきました。
人が今何を考えているか、何をして欲しいのか、一言聞いて、読み取って
多くのパターンの中から自分の答えを出し、すぐに行動せよということ。
僕にとっての学校教育は、教室ではなく 確実にグランドでしたね。(笑)
今回も、本当に勉強になりました。
また時間があれば、お邪魔したいと思います。
最後に・・・
後輩達へ
辛く厳しい毎日だと思うけど、野球に熱中するのは今しかない。
夏の甲子園に向かって頑張れよ。